西洋音楽史

Aerophoneを練習するようになって音楽に興味を持ち、その興味は、歴史や理論にまで向かっている。
この本は、西洋音楽、つまり芸術音楽の歴史について書かれている。
音楽理論についても当然解説されているが、社会と音楽の関わり方について多く語られているのが面白い。
曲名を言われても、イメージできないのが残念である。

芸術音楽とは何か?
本書では楽譜として設計された音楽だとしている。
楽譜として書くことで、交響曲のような多くの楽器が参加する壮大な曲を作ることができる。
口伝の音楽で、これは難しい。
また、楽譜を出版することで、誰でも演奏できるようになり、後に分析・批判することも出来る。
このような観点で音楽を考えたことはなかった。

初期の音楽は聴くものではなかった、というのは驚きである。
神の世界の調和を追求したものであり、人間のためのものではない。
そして、調和という意味で数学に近い。
ギリシャでは数学の一分野だった。
その考えた方が現れてるのが有名な「グレゴリオ聖歌」である。

ルネッサンスからバロックになり、作曲家と作品が生まれる。
オペラが生まれたのはバロックの時代である。
この時代、音楽は神のものから人間のものへと変化し、楽しむものへと変わっていった。
しかし、まだ王家や貴族のためのものだった。

ロマン派のころに音楽は、民衆のものになる。
楽譜に書かれた音楽は、出版され、多くの人の手に渡った。
この頃の音楽愛好家は、音楽を聴くだけでなく、自身で演奏することを楽しんでいた。
だから楽譜が重要だった。

こうした「音楽は聴くものではない」という考え方の源流は、音楽を数学の一種と考える古代ギリシャにまで遡ることができる。(中略)
おそらく中世において、そしてそれ以後も、真にその名に値する「音楽」(芸術音楽)とは、現象界の背後の客観的秩序を探求認識するという意味で、一種科学に近いものと考えられていたのだろう。

調性のある音楽には常に中心音がある。ハ長調ならばそれは「ハ(ド)の音」ないし「ハ長調の和音(ドミソ)」だ。音楽はハから出発し、他の諸々の音を経由しつつ、優先的にハを用いながら、ハで終わろうとする。それに対して無調とは、優先的に用いられる音が生じないようにして、1オクターブの中に含まれる12の音をすべて平等に使おうとする音楽だ。

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