ゲームシナリオのためのミステリー事典

「ゲームシナリオのための事典」シリーズ。
このシリーズは、その世界のネタがコンパクトに網羅的にまとまっている。
しかし、事典という性質上、最初から順番に読んでいると、途中で飽きてしまうという弱点がある。

目次は、次の通り。
・ジャンル
・シチュエーション
・トリック
・キャラクター
・ガジェット
・セオリー
と、実にミステリーらしい。

トリックの新奇性を求める傾向の強いミステリーでは、過去を知ることはとても重要である。
その点、この本は、軽くミステリー及びその周辺分野を学ぶには丁度よい。
常に構造化を目指しているような分類も心地よい。

ミステリー分野にそれほど詳しいわけではないが、この本を読んでの発見は特になかった。
この前に読んで「ゲームシナリオのための戦闘・戦略事典」の方が、知らないことが多くて面白かった。

「怪物と戦う者は、そのことで自らも怪物にならぬよう心せよ。おまえが深淵を覗きこむとき、深淵もまたこちらを覗きこんでいる」  
FBIのプロファイラーであったレスラーは、哲学者フリードリヒ・ニーチェの『善悪の彼岸』からの引用を掲げ、プロファイリングに潜む危険について警告している。

ノックスの十戒
1.  犯人は物語の初期から登場していなければならない。しかし、その心理状況のすべてが読者に読み取られていてはいけない。
2.  探偵小説に超自然的な能力を導入してはいけない。
3.  秘密の部屋や抜け穴、通路などは一つくらいにしておくべきである。
4.  発見されていない未知の毒物や、科学的説明を必要とするような装置は使用しない。
5.  中国人を主要な人物として登場させてはならない。
6.  偶然の事故で探偵が助けられたり、探偵の直観的な判断で真相が判明してしまうことは避けるべきである。
7.  探偵が犯行を犯すべきではない。
8.  探偵が手がかりを発見した場合は、すぐに読者へも提示しなければならない。
9.  探偵の友人や助手役の人物の考えは読者に隠してはいけない。また、彼の知能はほんのわずかだけ読者より下でなければならない。
10. 双子や瓜二つの人物の登場は、あらかじめ読者に知らせておかねばならない。

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