キングの凄いところは、この21世紀に誰もネタにしようとは考えないアイデアを作品にするところ。
特に短編おいては、なぜこれを小説にしようとした!と思ってしまうものが多い。
そんなネタでも傑作になることがあるのが、キングの凄いところなのだけど。
以下の紹介には、目一杯ネタバレが含まれます。
「マイル81」
少年の思い出のような体裁を取っているが、車が人を食べる話。
比喩ではなく、そのまま。
原因の説明はないが、ステーションワゴンがガンガン人を食い殺す。
「プレミアム・ハーモニー」
レイモンド・カーヴァー風に書いたようだが、何を狙っているのか理解できなかった。
「バットマンとロビン、激論を交わす」
タイトルからは意外だが、認知症の父親と息子の話。
ラストはちょっと泣かせる。
「砂丘」
文学的な雰囲気のある奇妙な話。
秘密の砂丘に書かれた名前には、あることが起こる・・・
「悪ガキ」
ひとりIT(イット)みたいな悪ガキにまとわりつかれた不幸な男は、ケリをつける。
「死」
少女殺しの疑いをかけられた黒人は、無実を主張するが、縛り首にされる。
その後起こった出来事は、謎を深めるばかりだった。
「骨の教会」
詩だった。何が言いたいか、分からなかった。
「モラリティ」
大金のために罪を犯すことを引き受けた女性の苦しみ。
「アフターライフ」
タイトル通り、死後の話。
「UR」
キング流のSF小説。
有名な作家の未発表の小説が読めるキンドル。
手に入れた者は有頂天になるが、当然落とし穴がある。
とりあえず、本編前の著者による解説が楽しい。