今話題の5Gの解説というより、移動通信の歴史についての本だった。
懐かしい用語がいくつか登場する。
5Gが一般の消費者にはあまりメリットがないことが分かった。
どちらかというとIoTのための規格である。
まず、移動体通信の第1世代から第2世代への移行は、アナログからデジタルへの移行だった。
デジタル化のための量子化などの技術的背景が解説されている。
3Gの目玉は、高速化と大容量だった。
実際は、2Gも段階的に高速化、大容量化を実現しており、「3G」はマーケティングのための用語であった。
移動体通信における用語は、マーケティングに引きづられることが多いようだ。
規格としての「3G」は、ITU主導の標準規格の導入がポイントだったが、実際は5つの規格が乱立することになってしまった。
4Gの背景は、携帯電話からスマートフォンへの移行だった。
大きなポイントとして、パケット交換網への統合がある。
やはり3Gも進化しており、3Gの斬新的進化はLTE(Long Term Evolution)と呼ばれることになり、3.9Gなどが登場した。
市場の混乱を避けるために、進化した「3G」を「4G」と呼称することになった。
5Gの売りは、高速、大容量以外に、低遅延と多数同時接続がある。
低遅延は自動運転を可能にし、多数同時接続はIoTには必要とされている。
高速、大容量を実現するために高周波数を利用しているが、これは遠くまで届かないという課題もある。
また、IoT機器のバッテリー消費を削減するために、あえて低速での接続も可能になっている。
5Gについては、技術先行のようだ。
また高速、大容量だけではインパクトに欠けるので、低遅延と多数同時接続を加えた感じだ。
その技術を使えば、自動運転とIoTに便利だろうと。
無線基地局が発呼を認識すると、スマホよ無線基地局の間でいくつかのデータがやり取りされます。もちろん、このデータのやり取りには携帯電話網の電波が使われるわけですが、品質の高い通信を行うための工夫として、制御用の周波数と実際に送りたいデータを送受信する周波数は分けられます。
磨きに磨いたLTEはほとんど4Gといえるような代物になり、最終的には4Gと呼ばれた。