料理を作るように小説を書こう

「MM9」などで有名なSF作家による小説の書き方の解説である。
創作を料理にたとえ、そのレシピを指南している。
これを読んだからといって小説を書けるようになるわけではないが、著者ならではの手法が面白い。
基本的にはQA形式で書かれているので、とても読みやすい。
作家の収入面が分かって面白い。
本を読む人が減っている現状では、作家として生活するのは厳しそうだ。
自分用の小説を書くのが気楽で良いかもしれない。

まず、面白いのは、作家の収入についてぶっちゃけてるところである。

仮に1,500円の単行本の初版が5,000部なら、印税は75万円ーおやおや、これでは1年間の生活費にもなりませんね。
文庫のほうがたくさん刷るのは、単行本より定価が安くて、買う人も多いからです。

つまり小説だけで食べていこうと思ったら、年に1冊なんてペースではだめ。年に何冊も出さないといけないわけです。

(雑誌に連載する場合)原稿料は今、1枚あたり3,000~5,000円くらいが相場です。たとえば1回50枚の連載で、原稿料が1枚5,000円なら、1月に25万円の原稿料が入ってくるわけです。これなら生活できそうですね。

1日に10枚なら、休日なしで1ヶ月300枚、2ヶ月で600枚。つまり2ヶ月で長編1冊分ぐらいの原稿がかけるという計算になります。

まず、自分のための小説を書くことを勧めている。
料理で考えると、以下の段階となる。
①自分のために作る
②友人のために作る
③お客様のために作る
これと同じように、まずは自分のために作って腕を磨き、最後の作家としてお客様に提供する。
自分向けなら気楽で面白そうだ。
他人の設定でも自分が楽しめるように作り変えるのもありだろう。

アイディアは日常生活にある。
しかし、アイディアだけで勝負するのは難しい。
アイディアの調理方法の方が重要なのだ。

自分で考えた設定の穴を見つけることで、面白いアイディアが見つかることがある。

キャラクターは箇条書きにすると死んでしまう。
作者も予想できない動きをするくらいでないと面白くない。
キャラクターはレイヤーで作るのを勧めている。
ストーリーが進むにつれて、新しい面が見えてくるキャラクターにこそ魅了がある。

ヒット作を創作する前提は、駄作をなくすことである。
そのためには、駄作を読んで、駄作である原因を分析するのが良い。
その原因を避けることで、駄作になるのを避けることができる。

ただ読み返すだけでなく、読みながら分析してみましょう。あなたの心に響いたのはどういうシーンなのか。そのシーンではどのような描写がされているか。なぜそれが心に響いたのか。

あと、描写する際にはカメラワークを考慮に入れましょう。

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