死人街道

ウィアードウエストという分野らしい。
化け物が溢れるアメリカの西部をガンマンが旅をするようなものらしい。
まったく知らない分野だったが、意外に面白かった。

このシリーズの主人公は、牧師である。
まったく神を信じていないが、神からの司令で魔物を狩っている。
そして、とてもガンの腕が立つ。

西部を彷徨う牧師は、行く先々で魔物と出会う。
そして、現地の人と協力して魔物を倒すのだが、多くの場合、協力者は死んでしまう。

牧師は通常の銃以外にも、秘密の道具を使う。
弾に銀を仕込んだり、聖書のページを破って魔法陣を作ったりする。
この辺りもワクワクする。

この分野の本は他に読んだことはないが、この本に関しては、シンプルなストーリーに粋なセリフがいい。
作者は、きっと好きなことだけを書いているんだろうな、と思える。
こういう小説なら書いてみたい。

私はここに収めた小説を楽しんで書いた。読者のみなさんも楽しんでくれるよう願っている。パルプ・フィクションへの回帰であり、娯楽のための読み物なのだから。偉大なる思想なんてものは、ここにはない。あるのはただ昔ながらの、勢いがあってわくわくする、刺激に満ちた物語だけだ。

「ミス・メアリのところまで行ったほうがよさそうだ」
「木の根と雑草のスープがお好みなら、それもよかろう。なんでも同じ味にしちまって、食えたもんじゃない。本人のご面相も似たようなものだがな。それでもミス・メアリは自分まで客に出したがる。そっちがお目当てなら、止めはしないさ」
「わかった。あんたの馬肉にしよう。じゅうぶん火を通してくれるか見張らせてもらうが」

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