時間戦争のライバル同士による手紙を通したラブストーリーだった。
時間戦争の目的や方法はよく分からないが、様々な方法で両陣営が歴史に介入している。
優秀なエージェントであるレッドとブルーは、お互いの存在を知り、ユニークな方法で手紙のやり取りを始める。
沸き立つジャーの水をMRIで解析した結果、骨に空いた穴を通る突風、樹の芯、アザラシの毛皮を使って。
いつしか二人は愛し合うようになるが、会うことは出来ない。
少女漫画的、萩尾望都的な感じもある。
しかし、壊滅的な指令が下る。
翻訳では分からないような言葉遊びが埋め込まれているのが感じられる。
歴史の知識も試される。
それがなくても、詩的な雰囲気は楽しめる。
あまり一般受けしそうもないのだか、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞を受賞したようだ。