猫の街から世界を夢見る

覚醒する世界の男に誘惑された女子学生を探して、女教授ヴェリット・ボーは旅に出る。
そこは不思議な生物が生息し、怒れる神が実在する世界。
若い頃は旅人だったボーは、老いて体力がなくなり、美しさも過去のものとなった身で旅をする。

著者がうまいのか、読者は彼女とともに旅をしているかのように異世界の味わえる。
我々の世界と少しずつ風俗の違う世界を旅する旅行記である。
若くも、美しくもなく、勇者でもないボーが持つのは、知恵と決意だけである。
だからこそ、旅がリアルに感じられるのかもしれない。

そして旅の終点は、覚醒する世界である我々の世界である。
ボーの世界は夢の世界で、我々の世界が覚醒した世界なのだ。
ボーの世界の神々とは、クトゥルー神話の神々なのだ。

我々の世界に入った瞬間、相棒の巨人が車に変化してしまうのが面白い。
ひろい世界で女子学生を探す道具がスマホ、というのは、いかにも現代風である。

不思議な読後感で、面白い小説だった。

夢の国には多くの神々がいる。偉大なる神々のアザトホースや白髪のノーデンス、彼らの使者である這い寄る混沌ナイアルラトホテップ。

さらにほかの者たちにとっては、ヴェリット自身が目標となっていた。神々はなんの理由もなく憎むことができて、彼らの悪意が彼女にむけられたのだ。

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