池上彰の世界の見方 東南アジア

池上彰の本は、そこそこフラットの見方で、分かりやすく整理されているので、自分の知識を見直すのには丁度よい。
今回は、東南アジアである。
東南アジアと一括りに言っても、色々あるんだなあ、と思った。

東南アジアとは、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、シンガポール、マレーシアの10カ国のASEAN加盟国と東ティモールである。
東南アジアの由来は、第二次大戦時の日本の「大東亜共栄圏」から来ているのは知らなかった。

面白かったトピックを、つらつらと書いていく。

現在、日本の会社の工場は人件費の安い東南アジアに多い。
東南アジアの国々も、いつづれは中国のように人件費が上がるだろうから、次はアフリカだと思っていた。
けれども、アフリカはものづくりの伝統がないので、難しいようだ。

スターリンの死後、トップに立ったフルシチョフは、スターリンの個人崇拝を激しく批判した。
そのころ中国では毛沢東が個人崇拝を進めていたため、毛沢東は自分が批判されていると思いソ連に反感を持つようになった。
感情的な対立から中国とソ連の間に、大きな溝ができた。

ある国が共産主義化すると、その動きがドミノ倒しのように隣国に広がっていくという考え方を「ドミノ理論」という。
このドミノ倒しを防ぐ堤防として作られたのがASEANだった。

中古のマンガ本をきれいに再生し、漫画喫茶などに販売する商売がある。
当初、この作業は日本国内で行われていたが、再生作業中にマンガを読んでしまい作業が進まないため、再生工場はカンボジアに移転した。

富裕層が多く移住してきたら、国内の貧富の差は広がるが、富裕層はお金になるビジネスをしている。
そのビジネスによって雇用が生まれ、国民も豊かになる。
そう考えたリー・クアンユーが世界中のお金持ちが移住したくなる国を作った。それがシンガポール。

インドネシアでは、数多くの島々の、数多くの言語を持つ人々を国としてまとめるために、共通語であるインドネシア語を作った。
インドネシア語は、誰もが簡単に覚えられるように、文法なども含めてきわめて単純な構造になっている。
たとえば、未来形、過去形がない。すべて現在形である。

国民による直接選挙で大統領が選ばれない場合、首相は行政のトップである。
国家元首も必要なので、大統領は議会が選ぶ。
ドイツの大統領は国家元首だから、国内外のいろんな式典に列席するが、政治的な権力は持っていない。
インドやイスラエルの大統領も同じ。

タイのお寺は金ピカで派手である。
実は日本のお寺も完成したばかりの時はピカピカだったが、高温多湿なためすぐに錆びて、わびさびを感じるお寺になった。

タイでは、選挙で政権交代が起きず、国民の不満がたまった場合、国民の不満を背景に軍がクーデターを起こす。
しかし、クーデターを起こした場合でも、国王の承認が得られないと政権は認められない。
そして、世の中が落ち着いてくると、再び民生に移管する。

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