面白くて眠れなくなる植物学

Audibleで聴いたけど、この手のモノは、何度も見返せる本がいい。
植物の驚くべき生態の数々。
宇宙までいかなくても、地球の植物を知れば、十分にセンス・オブ・ワンダーを味わえると思った。
逆に、小説に出てきたら「盛りすぎだろう」と思う不思議に溢れている。
是非覚えておいて、人に話したい。

人に話したくなるトリビアは以下の通り。

花の器官は3つのクラスの遺伝子の組み合わせで発現する。
Aのみでガク、AとBで花弁、Cのみで雌しべ、BとCで雄しべ、ABCがいづれも発現しないと葉になる。

葉の裏には空気を出し入れする気孔があり、植物体内の水分は気孔から水蒸気となって外へ出ていく。
根から気孔まで水の流れが繋がっており、気孔から水分が蒸発すると、ストローのように根から水が吸い上げられる。

裸子植物は、葉からの水分の蒸発を防ぐために葉を細くし、針葉樹になった。

植物は一斉に芽を出すと不測の事態で全滅するのを防ぐため、早く芽を出すもの、ゆっくり芽を出すもの、芽を出さず地面で眠り続けるものがいる。

環境が不安定だと、植物はゆっくり大木になっている余裕がない。
短い期間に成長し、花を咲かせ、種子を残す「草」が発達した。

太陽の光には様々な色が混ざっているが、光合成に利用されるのは主に波長の長い赤色や黄色の光である。
これらの色は葉緑素に吸収されるが、中間の緑色の光は利用されないので、反射されるため葉は緑色に見える。
海の中では、海の水が赤い光を吸収する。
エビなどの深海に住む生き物は鮮やかな赤色をしているが、深い海の中では赤い光が届かないので、赤色は見えなくなる。そのため、赤色が身を隠すのに適している。

種子は未熟なうちに食べられないように、未熟なうちは目立たない緑色をしており、甘みはなく苦味を持っている。
種子が熟すと苦味を消去し、糖分を蓄えた甘くなる。目立つ赤色に変わり食べ頃をアピールする。

種子が地面に落ちないと、自然界では子孫を残すことができない。
しかし、少ない確率で種子の落ちない突然変異が起こることがあり、人類はこの株を見出し、利用した。
種子がそのまま残っていれば、収穫して食料にすることができるからだ。

木材はリグニンによって固められているため、細胞が死んでもそのままの形を維持している。
実は木の心材の部分の細胞は既に死んでいる。

植物は昆虫の食害を防ぐために、様々な忌避物質や毒物質を体内に用意して、防御する。
昆虫側は、毒性物質を分解する方法を発達させて、なんとか葉を食べようとする。
植物によって毒性物質の種類は違うので、ターゲットとなる植物を定めて、植物の防御策を破る方法を見つる。

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