サーキット・スイッチャー

自動運転が普及してした日本でカージャックが発生した。
自動運転アルゴリズムの開発者坂本は、犯人と高速を走る自動運転の車の車内に閉じ込められた。
犯人の要求は、坂本の殺人を実証すること。
有名なトロッコ問題を使い、このような形で技術の闇を炙り出すとは。

現在のコンピュータ技術が、うまく組み込まれたサスペンスだった。
爆弾の解除方法は、コンピュータ技術者ならニヤリとしてしまう方法だった。
本当にやられたらたまらないが。

技術的なトリックの肝としてAIのファインチューニングが出てきたのが、AIの試験であるG検定の勉強をしたばかりの私には嬉しかった。

確率論に隠蔽された大規模な殺人。
それは人種差別ではなく、企業の冷酷な論理だったとは。

最後にスイッチを入れた科学者・技術者の責任に言及するあたりは奥が深い。

「私たちはそれぞれ意思決定をしたんです。社会の行き先を、スイッチを切り替えたんです。だから、行く先を見届けないといけません」

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