アメリカン・ブッダ

民俗学+SFだが諸星大二郎ほどグロくない。
バーチャルリアリティや量子力学などと柳田國男、時間旅行、仏教、インディアンの虐待などがミックスされている。
スチームパンクのような短編では南方熊楠のキャラが強烈だった。

[雲南省スー族におけるVR技術の使用例]
生まれてすぐにVRゴーグルを付け、バーチャルの世界で生きる一族を描いた作品。
仮想現実が身近になったこの頃では、リアルに感じられる。

[鏡石異譚]
時間を司る新粒子の発見にひとりの女性の生涯を重ね合わせた物語。
ちょっと分からなかった。

[邪義の壁]
家モノのホラーのような作品。
壁の謎が宗教的な背景に変化していく。

[一八九七年:龍動幕の内]
当時の著名人が多数登場し、コンピュータの発明と絡み合っていくスチームパンク的な小説。
自分の服の中でカビを繁殖させ、研究している南方熊楠のキャラが強烈。

[検疫官]
物語を病気として扱っている国で、物語が侵入してこないように守っている検疫官が主人公。
逆説的に、物語の重要性を描いている。

[アメリカン・ブッダ]
ほとんどの人間が仮想空間で生きるようになった世界で、地上で生きるインディアンの仏教徒の意見が人々に衝撃を与える。

読んでから時間をおいて感想を書くと、うろ覚えなところが多い。
やはり、読んですぐに書くのが重要。

精神時間の中で生きるMアメリカは全てにおいて悠長だ。
人々は働きたい時に働くし、休みたい時に休む。
カウンターで注文したブリトーが出来上がるまで半日かかろうとファーストフードと呼べるし、新作映画の上映時間は1週間超えが当たり前で、「ベン・ハー」はショートフィルムの扱いだ

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