あなたの脳のはなし

脳内モデル、時間、感覚、現実、人間のあり方などに新しい視点を与えてくれる本だった。
私達は、眼を通して外界を見ているのではなく、脳内のモデルを見ている。
眼から入ってくる光は、モデルの予想が正しいか判定するための情報に過ぎない。
差異の報告なのだ。

外界をカメラのように見ていると、歩いている時に画像がブレてしまうはずだが、世界が安定して見えるのは、リリアルタイムに外界を見ているのではなく、脳内で作られる予想を見ているからだ。

視覚は全身の感覚とともに発達する。
視覚の発達には、他の感覚との照合が必要になる。
他の感覚と照合することによって、はじめて見ているものが何かを認識できる。
自由を奪われた子猫は、正常に視覚を発達させることができなかった。

光は音より速いが、脳の中の認識では音の方が速い。
だから短距離走の合図は、ピストルの音が使われる。
複数の感覚からの情報の時間を合わせるために、意識は現実よりも遅くなる。

ウソを脳に埋め込むのは簡単だ。
記憶は信頼できる記録ではない。
記憶は復元物であり、神話に近い場合もある。

恐ろしい経験は情報密度が高く記憶される。
そのため、意識からはスローモーションのように感じる。

3本目の腕のような人工器官にも人間は慣れることができる。
これは新しい言語を覚えるのに近い。
脳は、ある情報で間に合わせようとする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です