遙かなる地球の歌

クラークによる太陽系滅亡後の異星への移民の話。
既に移民が成功している惑星に、違う惑星に向かっている人々が立ち寄る。
その時の状況が静かに語られる。

多少の軋轢はあるが、おおむね穏やかな関係が築かれる。
一番のサスペンスが三角関係というのはクラークらしくない。
真空からエネルギーを生み出す航法はあるが、工学的な記述が比較的少なかった。
宗教の否定に多くのページを割いているのが興味深い。

「神という語の厄介な点は」彼は、ゆっくりと話しはじめた。
「どの人間にとっても、同じ意味を持たなかったことだ──とくに哲学者にとってはな。だからこそ第三千年期のあいだに、悪態をつくとき以外には、しだいに使われなくなったのだ」

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