シーフォーミー


意外に面白かった。
盲目のペットシッターが留守番をしていた豪邸に強盗が押し入る。
彼女は盲人支援用のアプリ「シーフォーミー」を使って対抗する。
「シーフォーミー」はビデオ通話機能を使ってボランティアが利用者に状況を伝えるアプリである。
彼女が選んだパートナーは、オンライン・シューティングゲームの達人だった。

盲人である主人公の女の子が可愛そうな被害者でないところが良い。
実は障害者であることを利用して窃盗をしていたのだ。
この倫理的に微妙なバランスが良い。
盲目になってしまったためにオリンピックのスキー競技で出場できなかったという恨みもあって、いやな女になっている。

ここからはネタバレ。
強盗たちに見つかり、警察に通報したこともバレるが、犯人たちは、盲目で目撃者にはならないので見逃そうとする。
しかし、分け前をくれれば警察を追い返すと彼女から提案する。
これには驚いた。
結局、警官を騙すのに失敗し、泥沼の殺し合いになる。
強盗たちの中にはひとり血の気の多いのがいるが、基本的には留守だから侵入したこそ泥ばかりである。
彼女のせいで、大変なことになったと言える。

騎兵隊が現れることもなく、頭を使って自分の身を守ったところはエラい。
最後の武器は、盗んだワインボトルなのは気が利いている。
そして、まさかのハッピーエンド。
可愛そうな背景がありつつも、根っからの善人ではない彼女は微妙な魅力がある。
絶対、金庫からいくらかはガメている。

音楽もなかなか良かった。
「メッセージ」のようであり、カーペンターのようでもあった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です