脳は世界をどう見ているのか

新皮質は同じ機能の多数の細胞で構成されており、それぞれがモデルを構築し、予測する。
意識はそれらの多数決で決定される、という考え方は面白い。
後半は少し退屈だった。
人類が滅亡した後に遺産を残す事には興味がない。
著者はPalmの開発者だった。

新皮質を構成する細胞は機能が同じだが、繋がっている先によって働きが変わる。
眼と繋がれば視覚を、耳と繋がると聴覚が生まれる。
ほかの領域と繋がれば言語のような高次の思考ができる。

新皮質は、次に何を感じるか予測する。
コーヒーカップに触れて指を動かせばふちを感じ取ると予測する。
入力が予測と異なると、世界のその部分のモデルを更新する必要があると警告を出す。
わたしたちは、動くことによって学習する。

脳が知るのは世界の一部であり、わたしたちが知覚するのは世界のモデルであって、世界そのものではない。

たとえばコーヒーカップという物体がどういうものかを知るのに、一点に触れたままでは何も学習できない。
指を動かすことによって、指で感じるものがどう変わるかを知るのが学習だ。
そうするとカップのふちや底や取っ手のような特徴の位置関係、つまり物体の構造を記憶することになり、その記憶をしまうために脳がつくり出すのが、地図に似た座標系である。
しかもその座標系を、新皮質を構成する何千何万という「皮質コラム」という要素それぞれがつくり出し、それをもとに皮質コラムそれぞれが予測を行なう。

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