ジェイコブと海の怪物


海洋冒険映画という感じでいい映画だった。
あまり期待していなかったせいか、とても楽しめた。
美しいCGと少しひねったストーリーと健全な主人公たち。
これくらいの映画が単純に楽しめる。

中世のイギリスを想わせる世界。
海には巨大な怪物が現れ、命知らずのハンターたちが戦いを挑んでいる。
ハンターのクロウ船長率いる「イネビタブル号」は、彼の片目を奪ったレッド・ブラスターを追っていた。
戦いの最中、海に投げ出されたジェイコブと孤児のメイジーは、レッド・ブラスターことレッドに救われ、怪物征伐に疑問を感じていた。
しかし、クロウ船長は復讐に取り憑かれていた。

風景が美しい。
赤い怪物レッドとエメラルドグリーンの海の色の対比が独特の雰囲気を作っている。
レッドの材質感も不思議な感じで、他のものに比べて、これだけはリアリティがない。
すべての帆が赤い帆船もいいビジュアルだ。
海の表現にCGの進歩を感じる。
全体的に巨大感をうまく表現している。
とても迫力がある映画で、大画面で観たかった。

怪獣の前に立つ少女。
いい絵だ。
少女が黒人というのもいい。

ここからネタバレ。
怪物を退治するハンターが国から支援されていたが、国が討伐事業に乗り出したためにハンターは不要になる、という流れは、イギリスと海賊の関係を想わせる。
怪物が悪者なのは王家の陰謀だというオチも現代的だ。
とても楽天的だが、ちょっと感動的なハッピーエンドだった。
現実も、そうであれば良いのに。
この頃、切実にそう思う。

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