パン焼き魔法のモーナ、街を救う

モーナが唯一使える魔法は、パンをうまく焼いたり、クッキーを踊らせることだった。
魔法使い狩りで捕まり、何とか釈放されたが、迫り来る敵の軍隊の前で、モーナは国で唯一の魔法使いだった。
英雄を作り上げる政府への批判や、死んだ馬の大群など、子供には勧めにくいと思われがちだが、子供は分かるものだと思う。

叔母のパン屋に死んだ女の子がいた。
あたしは情けない声をもらして一歩あとずさり、さらにもう一歩さがって、とうとうパン屋の戸口にぶつかった。

最初の一文で引き込まれる。

魔法に必要なのは独創性だ、という辺りは荒木飛呂彦っぽい。
使えなさそうな魔法を工夫して、最強の魔法に仕上げていく。

町の実力者である女公は、実は仕方なく権力者になっている。
良いキャラクターだ。

「向きを変えよ」女公がぼそぼそと言った。
「5つ数えてから左によけるがよい。スピンドルをここに上がらせる。その後、ふたりともこの場を離れてかまわぬ。運のよいことよ!」

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