シロアリの世界は興味深い。
シロアリはアリやハチよりゴキブリに近い。
真性社会性生物だがアリやハチとは生態が違う。
女王が複数おり、創設女王と同じ遺伝子を持った分身である。
ワーカーはオスもメスもおり、全ては幼体である。
シロアリは、アリやハチと同じく真社会性昆虫だが、アリやハチと異なりワーカーや兵アリはオスとメスで構成されている。
シロアリの巣の構成員のほとんどは、発生学的に幼生である。
役割が確定しておらず、分化全能性を持っている。
ワーカーは女王アリにも兵アリにもなれるということだ。
女王アリや兵アリは一定数に決まっており、不足すればワーカーから補充される。
シロアリの羽アリはメラニン色素を持っている。
屋外に飛び立つ羽アリは、メラニン色素がないと紫外線で死んでしまうからだ。
ワーカーは太陽光線に当たると死んでしまう。
地球上で最も大量に存在する高分子化合物は、植物の細胞壁の主成分であるセルロースだ。
しかし、セルロースを分解できるのは微生物だけである。
シロアリは、腸内に共生する微生物でセルロースを栄養に変えている。
ヤマトシロアリのメスは単為生殖能力を持っている。
パートナーが見つからなければ、単独で巣を作る。
土の中に巣を作るということは、潜在的病原菌との戦いでもある。
シロアリは、お互いに舐め合うグルーミングで対抗する。
シロアリの唾液には抗生物質が含まれている。
創設女王の娘である二次女王は、創生女王と同じ遺伝子を持っている。
つまりクローンである。
女王の数、各女王の産む卵の数とワーカーの労働力はバランスが取れている必要がある。
巣の新旧交代時に、産卵能力の低い女王はワーカーに間引かれる。
結果的に巣のバランスは保たれていく。