博物館と学芸員のおしごと

博物館の意義と現場について気合いの入った解説書だった。
一般には知られていない博物館の運用が面白い。

博物館の資料は一次資料と二次資料に分かれる。
一次資料とは、実物製作資料、情報製作資料など。
二次資料とは、複製、模造、模型などである。

博物館における劣化の主な原因は、光、温度と水、空気である。
光の対策にはLED照明、空気の対策には二重扉が使用されている。

展示の原理は次の通り。
・見ること
・比べること
・気づかせること

来館者動向という調査結果も面白い。
・先に見る展示室に多くの時間をかける。
・1時間もたつと足が痛くなり、頭が飽和する。
・右に曲がる(75%)。
・初来館者は5〜15分でラベルを全部読むことをやめる。

博物館の設計するにあたり視線計画を考えるらしい。
「視覚情報を正確に受け止められるのは、視野の中心20〜30度の円錐体内」
といった法則を元に検討している。
資料の損傷を避けるために、光の照度と時間の積を少なくするように考えられている。
また、来館者の錯覚や目の慣れを利用しているらしい。

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