ミーガン


古典的な暴走ロボットものだが、現代が追いついた感があって興味深い。
AIへの依存、育児の委託、人間間のコミュニケーション不足というテーマが背景にある。
テンポが良く飽きさせない演出も良い。

両親を事故でなくしたケイディは、おばのジュマに引き取られることになる。
おもちゃロボットの開発で忙しいジュマは、ケイディの相手として試作中の少女型ロボットミーガンを与える。
ケイディはミーガンを気に入り、悲しみを忘れたように見えた。
ケイディを守ることを最優先とするミーガンは、ケイディを脅かす相手を容赦なく排除するようになる。

高度過ぎるAIやオーバーテクノロジーの動きはおくとして、ChatGPTでAIが問題となっている現代では、この古典的暴走ロボットは、違う意味を帯びてくる。
研究に忙しいジュマは、ケイディの相手を全面的にミーガンに委託してしまう。
その結果、ケイディはミーガンを最高の友達として受け入れる。
しかし、ミーガンを取り上げられたケイディは麻薬中毒者のように暴れまわる。
現実にAIに依存し、自殺する事件も起こっている。
対象に共感する能力を持つ人類は、それがモノであっても心を持つと認識しがちである。
ミーガンに世話を任せたジュマは仕事がはかどり、ケイディもミーガンと二人の方が心地よい。
近未来のコミュニケーションの姿を見ている気がする。

オチは普通の暴走ロボットホラーだった。
ちなみに、M3GANはModel 3 Generative ANdroidの略称である。
ロックバンド風でカッコいい。

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