「ミステリー」タグアーカイブ

クララ殺し

「アリス殺し」に続くファンタジー殺人事件。
基本的な設定として、我々の世界とファンタジー世界がつながっており、ファンタジー世界の殺人がそのまま我々の世界へ反映される。
面白いのは、真の世界はファンタジー側だということである。
前作の舞台は「不思議の国のアリス」だったが、今回は、また違う物語である。
続きを読む クララ殺し

ミスター・メルセデス

キング初のミステリー!
初か?という気もするが、元刑事と犯罪者の戦いというストレートなミステリーは無かったと思う。
むかしのキングに戻ったようなしつこい描写と陰惨なイメージが、昔からのファンには嬉しい。
何と、キャラクター小説だったりする。
続きを読む ミスター・メルセデス

パードレはそこにいる

珍しいイタリアのミステリー。
人名や地名が覚えにくいが、独特の雰囲気があった良い。
事件のトラウマで休職している女捜査官コロンバと自身が誘拐された過去を持つ子供探しのエキスパートでありダンテが、誘拐された子供の行方を追う。
ちなみに「パードレ」とは、イタリア語で父親の意味らしい。
続きを読む パードレはそこにいる

生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者

あまり期待していなかったのだが、予想外の拾い物だった。
生物学者が探偵役なのだが、動物に詳しい生物学者ではなく、パターンを解析する情報分析のプロである。
臆病なくせに頑固で、分からないことがあると、周りも見ずに突き進む。
その危うさが、読んでいて心配になる。
そして、後半アクション小説としても面白い。
映像化したら良いと思う。
続きを読む 生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者

メインテーマは殺人

「カササギ殺人事件」でミステリー界を騒がせたアンソニー・ホロヴィッツの新作だ。
「カササギ殺人事件」のようなアクロバットな構成ではなく、今回は新しいホームズ&ワトソンによる正統なミステリーである。
謎解きそのものよりも、デコボココンビの関係が面白い。
きっとシリーズ化して、売れ続けるのだろう。
続きを読む メインテーマは殺人

ファウンデーション・シリーズ

「ファウンデーション」は、アシモフによる壮大なSFシリーズである。
人類が宇宙開拓に乗り出し銀河帝国を構築している時代。
天才科学者のハリ・セルダンは、銀河帝国の崩壊を予測した。
銀河帝国の崩壊は避けられないが、その後の暗黒時代を短くするため、人類の知識を守る「ファウンデーション」を設立した。
続きを読む ファウンデーション・シリーズ

われはロボット

「銀河帝国は必要か?」で、アシモフの作品について解説されていたのを読んで、俄然読み直してみたくなった。
こどもの頃に読んだはずだが、いい感じに忘れているので、今読んでも楽しく、発見がある。
ちょうどKindleで安く買える作品で多いので、この機会にコンプリートを目指してみたいと思う。
まずは、ロボットSFの古典にして、始祖とも言えるこの短編集からだ。
続きを読む われはロボット

扇動者

ジェフリー・ディヴァーの「人間嘘発見器」シリーズの最新作(文庫版)である。
今回の敵は、人間の集団心理を操る策士である。
集団心理によるパニックは恐ろしいものだが、犯罪者としてはあまり面白くなかった。
毎回読者を驚かせることに注力しているディヴァーだが、今回も期待に違わず、どんでん返しが用意されていた。
続きを読む 扇動者