「ミステリー」タグアーカイブ

もう年はとれない

もう年はとれない (創元推理文庫)87歳の元刑事が主人公のハードボイルドである。
口が悪く偏屈なジジイなのだが、なかなかカッコいい。
刑事時代はダーティーハリーばりのワンパクさだったが、歳をとって身体も言うことをきかない。
転んだだけで寝たきりになったしまう恐れがあるのだ。
それでも戦い方はある。
高齢化時代のヒーローかもしれない。
続きを読む もう年はとれない

掟上今日子の備忘録[ドラマ版]

掟上今日子の備忘録 Blu-ray BOX「化物語」のオマケについていた1話を読んだ時は、西尾維新にしては普通過ぎると思った。
放映前に公開されたビジュアルもコスプレっぽくて、見る気をなくしていた。
ところが、従姉妹に薦められて最終回近くから見てみたら、ビックリするほど面白く、huluでイッキ見してしまった。
まさか、西尾維新原作で、こんなにちゃんとしたドラマが出来るとは思わなかった。
続きを読む 掟上今日子の備忘録[ドラマ版]

カレイドスコープの箱庭

カレイドスコープの箱庭 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)本書は、「チーム・バチスタ」シリーズにおいて田口&白鳥コンビ最後の事件と銘打たれている。
このシリーズでは様々な個性的キャラクターが登場し、面白い組み合わせで事件を解決していった。
しかし、第1作の主人公である田口&白鳥コンビが読んでいて一番安心する。
厚生省のロジカル・モンスター白鳥と、その不肖の弟子にされてしまった田口の凸凹コンビの漫才のようなやりとりは、素直に笑える。
本当に終わってしまうのなら、とても残念だ。
でも、著者の気まぐれで復活することも、きっとあるのだろう。
続きを読む カレイドスコープの箱庭

バーニング・ワイヤー

バーニング・ワイヤー 上 (文春文庫)事故で脊髄を損傷したため身体を動かせない元鑑識官が、ニューヨークの自室から事件を解決する「リンカーン・ライム」シリーズでの第9作ある。
今回の敵は「電気」。
あまりに日常的で、普段意識することもない「電気」が、いかに恐ろしいか、たっぷり味あわせてくれる。
そして、どんでん返しの職人ディーヴァーは、本作でも期待を裏切らなかった。
続きを読む バーニング・ワイヤー

今日から地球人

今日から地球人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)人類が発見した数学の定理を抹消するために、高度な知性体から派遣され数学者に乗り移った宇宙人が、人間の素晴らしさに目覚め、人間を守る側に回ってしまう、というお話。
かなり昔のSFマンガにあったようなパターンである。
SFネタとしては古過ぎるが、ハートウォーミングなユーモア小説なので楽しめる。
続きを読む 今日から地球人