新型コロナのワクチンとして驚くべき速度で開発されたmRNAワクチンの開発ドキュメントである。
一般にはファイザーが開発したと思われているが、実はドイツの製薬ベンチャー・ビヨンテックが開発し、提携したファイザーが試験の支援とデリバリーをしている。
ワクチン開発の大変さがよく分かった。
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「生物学」タグアーカイブ
人体 失敗の進化史
進化は既存の変更の連続だから最適解ではなく、歪なあり合わせだと思っていた。
それがテーマのこの本の著書が解剖学者なのに最初は違和感を持ったが、考えてみれば、進化が表れるのは生物の身体であり、それを良く知るのは解剖学者だろう。
進化に関する解剖学的知見は面白く、二足歩行は重力に対して90度の変更を内臓に強要した、など目から鱗だった。
著書の現状の科学行政に対する怒りは、もっともだと思った。
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生物はなぜ死ぬのか
ツィッターで評判だったので読んでみたが、それほど斬新な考えでもなかった。
本書では、生物の誕生から、生物の絶滅、生物の死、ヒトの死と考察し、生物が死ぬ理由を探求していく。
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身近な雑草の愉快な生き方
驚くべき雑草の生存戦略の数々。
人に教えたいが、覚えきれないのが残念である。
文学的、歴史的な背景の説明も多いのが生物学の本にしては珍しい。
イラストも良いが、せめてカラーにして欲しかった。
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LIFE SPAN老いなき世界
「老い」は病気であり、治療が可能である。
基本的には、この1点だけが、この本の主張である。
その主張を支える様々な知見が紹介されているのだが、専門用語も多く、すべてを理解したとは言い難い。
しかし、この本の主張が本当ならば、世界は変わる。
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生物学探偵セオ・クレイ 街の狩人
前作は熊の偽装殺人だったので、舞台は山の中が多かったが、今回の舞台は街中である。
生物情報工学者としての独自の視点で、犯人を追う。
主人公のセオは前作よりもたくましくなった印象である。
すきを突いたとはいえ、牢獄で殺し屋を撃退してしまうのだ。
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生物学の歴史
アシモフをしても、生物学の歴史は楽しく、分かりやすく伝えるのは難しかった。
当然ではあるのだが、医学の歴史が混線して来て、更に分かりにくくなっている。
ポイントだけまとめて、年表にして欲しい。
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若い読者に贈る美しい生物学講義
タイトルにあるように「美しい」とは特に思わなかった。
体系的とは言えないが、興味深い生物学のトピックを分かりやすく説明している。
知っていると、ちょっと友達に自慢できるようなネタが多くある。
覚えていられるほどの記憶力がないのが残念だ。
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量子力学で生命の謎を解く
読み終わるのに時間がかかり、そして難しかった。
感覚的に理解できない量子物理学と最新の生命科学の両方を説明されるので、ついて行くのが辛い。
その上、両者の説明が長く、肝心の両者の接点がかすれてしまっている。
話としては面白いのだが、事例の紹介が長く、本題を見失ってしまうところもあった。
今後、重要な分野だとは思うが、この本だけでは納得出来なかった。
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生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者
あまり期待していなかったのだが、予想外の拾い物だった。
生物学者が探偵役なのだが、動物に詳しい生物学者ではなく、パターンを解析する情報分析のプロである。
臆病なくせに頑固で、分からないことがあると、周りも見ずに突き進む。
その危うさが、読んでいて心配になる。
そして、後半アクション小説としても面白い。
映像化したら良いと思う。
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