出す本、出す本ベストセラーになってしまう勝間和代の新作である。
今回のテーマは、マーケティング。
なぜ、彼女の本がベストセラーになるか、その秘密も明かされている。
勝間式「利益の方程式」とは、「利益=(顧客当たり単価ー顧客当たり獲得コストー顧客当たり原価)×顧客数」である。
何を当たり前のことと思うだろうが、それぞれの要素について、工夫の仕方が秀逸である。
実際の企業名や商品名の入った事例も多く、「そういうことだったのか!」と驚かされる。
すべてを引用したいところだが、各原則と基本知識のタイトルを記すにとどめる。
原則1 どうやって顧客単価を上げるか
基本知識
1.顧客単価が利益に最も影響する
2.顧客単価と潜在顧客数は相反する
3.顧客が増えるほど、平均顧客単価は下がっていく
4.顧客のニーズ、特にコンプレックスの大きさに応じて顧客単価は決まる
5.プライシングとは、顧客が気持ちよくお金を支払ってしまう仕組みのことである
原則2 どうやって顧客獲得コストを下げるのか
基本知識
1.商品力が顧客コストを下げる
2.顧客を積極的に選択することが顧客獲得コストを下げる
3.顧客獲得コストはちょっとした工夫で大きく変わる
4.顧客の獲得も重要だが、ロイヤル顧客の維持はもっと重要である
5.口コミは究極の顧客獲得手段である
原則3 どうやって顧客原価を下げるか
基本知識
1.原価には業種ごとの相場がある
2.過剰な品質、過剰な設備投資、過剰な人員投資が原価高を招く
3.価格以外の軸を持ち込むと原価引き下げのアイディアが生まれる
4.仕入先を工夫すると原価は下がる
5.結局は地道なベンチマークが決め手になる
原則4 どうやって顧客数を伸ばすのか
基本知識
1.何はなくとも「S字カーブ」の法則を理解する
2.顧客セグメンテーションの基本はやはり年齢・性別・所得にある
3.潜在顧客数の規模は事前にほぼ把握できる
4.団塊世代、団塊ジュニア世代が重要である
5.客寄せビジネスと受け皿ビジネスの両方を用意する
この本では、彼女の戦略コンサルタント時代の経験が多く語られている。
名前だけ立派で、何をしているかわからない「戦略コンサルタント」だが、彼女の説明を読む限り、なかなか面白そうな仕事だ。
例によって、巻末にはお勧め図書の一覧が掲載されている。
どれも面白そうな本なので、また本代がかさみそうだ。
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