ラギッド・ガール

飛浩隆による「廃園の天使」シリーズの2作目である。
前作「グラン・ヴァカンス」は長編だったが、本作は短編集である。
「グラン・ヴァカンス」で描かれた仮想空間のAIの背景が多面的に描かれている。
前作はしっくり来なかったが、本作はとても楽しめた。
前作のモヤモヤした部分が、かなり解消された。
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グラン・ヴァカンス

飛浩隆も知らない現代SF作家である。
この頃は、「話題の日本SF作家を読んでみよう!」強化月間なので、評判の高い、この本を読んでみることにした。
不思議な話だった。
設定としてはSFなのだが、描写があまりに陰惨でホラー映画「ヘルレイザー」を想わせる。
ただ、人間がひとりも出てこないので、感情移入の先に困る作品だった。
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なめらかな世界と、その敵

最近の日本のSF作家は、小松左京のような大物こそいないものの、面白い作品を書く人が多い。
残念ながら、新しい人の名前をなかなか覚えられない年齢になってしまったが、評判の良い現代作家の本は読むようにしている。
この本の作者もまったく知らなかったが、読んでみたら面白かった。
新しいタイプのラブストーリーだと思った。
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絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク

プログラミングの本は多いけれど、コンピュータの中で、どのようにプログラムが実行されているか、解説している本は少ない。
そして、技術の流行によって、プログラムが実行される方法は少し違ったりする。
オブジェクト指向が主流になる前は、インスタンスなんで言葉は聞かなかった。
この本で重要な課題になっているキャシュの存在など、ほとんどの人は意識していないだろう。
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メインテーマは殺人

「カササギ殺人事件」でミステリー界を騒がせたアンソニー・ホロヴィッツの新作だ。
「カササギ殺人事件」のようなアクロバットな構成ではなく、今回は新しいホームズ&ワトソンによる正統なミステリーである。
謎解きそのものよりも、デコボココンビの関係が面白い。
きっとシリーズ化して、売れ続けるのだろう。
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この世の春

宮部みゆきの時代劇、それも怪奇小説なら読まないわけにはいかない。
宮部みゆきの時代劇ホラーの特徴は、時代こそ江戸時代などだが、構造的にはモダンホラーだということだ。
読んでいて、まず思い出すのはスティーヴン・キングだ。
日本的な怪談というよりも、人間の恐怖をベースにした現代的なホラー小説となっている。
本作も懐かしのジョン・ソールを想い出させる嫌らしいティストになっている。
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