デイ・ウォッチ

デイ・ウォッチ世界に潜む光の勢力と闇の勢力の戦いを描く、ロシアのダークファンタジーである。
それぞれの勢力は、相手側が規則に違反しないように監視している。
光側の監視組織が「ナイトウォッチ」、闇のそれが「ディウォッチ」である。
前作「ナイトウォッチ」は光の側の視点で描かれていたが、本作は闇側の視点である。

闇の側の視点から見ると、光も闇もたいした違いはない。
闇は恐怖を、光は喜びをエネルギーとしているが、人間に寄生している意味では大差がない。
闇の側としては、自由に生きたいだけなのに、光の側が邪魔をしている、ということになる。
しかし、邪魔な人間は殺したりするので、悪いには悪い。

出て来る異人達は、光と闇の違いこそあれ、ほとんど監視者のせいか、お互いに規則で縛られていて、折角の超能力を派手に使うことが出来ない。
話の中心は、アクションよりも騙し合いである。
それも、両陣営のボスによって、手下が駒のように使われ、結局一番悪いのはボス達ではないかと思えて来る。
ダークファンタジー版スパイ小説の趣きがある。

登場人物の名前や地名、商品名がロシア語なので、なかなか頭に入ってこないのが難点である。
また、iPodのシャッフル機能で、運勢を占うのは面白い。

ロシアで大ヒットした映画版は、マトリックスばりのアクション映画のようだ。

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