キングの傑作ホラーの映画化である。
突然発生した謎の霧が街を覆い、その中にはこの世のものとも思えない怪物が潜んでいる。
スーパーに閉じ込められた人々は、絶え間ない恐怖から、いつしか狂気に陥っていく。
一番恐ろしいのは、人間の中にある原始的な狂気である、というテーマは変わっていない。
追い詰められた人々が、狂信的女性に煽動され、たった2日で文明を忘れ、神へのいけにえを求めるようになる。
キングにしては珍しい、「蝿の王」などに近い文学的とも言えるテーマである。
しかし、映像化してみると、あまり怖くない。
怪物達は、とても良く出来ている。
このグラフィックについては、小説が発表された当時では不可能な表現だと思う。
ラスト近くに登場する巨大な怪物は、私のイメージよりかなり小さかったのが残念である。
小説版と違うラストシーンは、本国では話題になっているようだ。
アメリカ映画には珍しい、後味の悪い終わり方だった。
倫理的なバランスからいって、この終わり方は納得できない。
まあ、昨日の映写機トラブルのおかげで、無料で観れたからいいけど。
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