オッド・トーマスの受難

オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV )幽霊が見える若者オッド・トーマスシリーズの2作目。
誘拐された親友を助けるために、狂女の罠に挑む。
1作目よりアクションに傾き、味わいが薄れた気がする。

「オッド・トーマスの霊感」は、モダン・ホラー作家クーンツにしては珍しく、内省的で謙虚な青年が主人公の物語だった。
語り口が凝っていて、泣かせる話でもあった。

2作目である本作では、オッド・トーマスは誘拐された親友を探し求める。
敵はオカルトに被れた悪魔のような女性だった。
秘密の地下水道や火災の後に廃墟となったカジノで、その女と手下達と死闘を繰り広げる。
前作よりもアクションは豊富である。

しかし、このシリーズに求めているのはアクションではない。
ユーモアでオブラードされたオッド・トーマスの悲哀こそが、このシリーズの持ち味だと思う。

前作で永遠の恋人を亡くしてしまったのも痛い。
彼女を越える人間は、なかなか難しいと思う。

シリーズを不動のものにしたという3作目に期待したい。

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