クーンツの控え目な超能力者オッド・トーマス・シリーズ3作目。
今回は雪に閉ざされた修道院が舞台。
SF的な設定がオッド・トーマスにしては派手過ぎるが、キャラクター作りとセリフが楽しい作品になっている。
死者が見える控え目な青年オッド・トーマスは、修道院で俗世間と離れた生活を送っていた。
しかし、修道院で保護されている子供達を襲う悲劇の予感に怯える。
そして、今までに出会った幽霊とは違う恐ろしい敵と戦うことになる。
ネタとしては「禁断の惑星」である。
凄まじい怪物の出現は、クーンツらしいのだが、このシリーズには似つかわしくない。
ギャングの用心棒が前職だった神父や謎のロシア人司書など、キャラクター作りが上手い。
映画と英米文学の素養が求められるが、ユーモラスに富んだセリフも楽しい。
最後にエルビスの幽霊と別れることになるのが寂しい。
でも、新しい仲間が増えて、今後がますます楽しみである。
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