オッド・トーマスの救済

オッド・トーマスの救済 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-10) (ハヤカワ文庫NV)クーンツの控え目な超能力者オッド・トーマス・シリーズ3作目。
今回は雪に閉ざされた修道院が舞台。
SF的な設定がオッド・トーマスにしては派手過ぎるが、キャラクター作りとセリフが楽しい作品になっている。

死者が見える控え目な青年オッド・トーマスは、修道院で俗世間と離れた生活を送っていた。
しかし、修道院で保護されている子供達を襲う悲劇の予感に怯える。
そして、今までに出会った幽霊とは違う恐ろしい敵と戦うことになる。

ネタとしては「禁断の惑星」である。
凄まじい怪物の出現は、クーンツらしいのだが、このシリーズには似つかわしくない。

ギャングの用心棒が前職だった神父や謎のロシア人司書など、キャラクター作りが上手い。
映画と英米文学の素養が求められるが、ユーモラスに富んだセリフも楽しい。

最後にエルビスの幽霊と別れることになるのが寂しい。
でも、新しい仲間が増えて、今後がますます楽しみである。

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