ITビジネスコンサルタントに必要なスキル、活動内容、事例の紹介によりITビジネスコンサルタントについて包括的な紹介をしている。
幅広テーマがコンパクトにまとまっており、厚い本だが読み易い。

受注ステップの説明もあり、理論の解説ではなく、実践に裏打ちされた文章であることが実感される。
ちなみにコンサルタントの営業活動として、以下が紹介されている。
・知人・友人の紹介
・企業支援機関への登録
・コンサルファームとの契約
・インターネット活用
・ダイレクトメール
・飛び込み営業
・論文発表・著書執筆
・セミナー・講演会の講師
・会員組織づくり

様々なコンサルティング・分析手法が紹介されているが、数学的に定義出来ない非構造的な問題の取り組み「SSM（ソフトシステムズ方法論）」が面白い。
理想と現実のモデルを比較し、システム的に望ましく文化的に実行可能な改善案を検討する手法である。
文化的問題も踏まえて、何度もモデルの作成と修正を繰り返す。

ITを利用したビジネスモデルとしてセブンイレブン、デル、アマゾン、iモード等が紹介されている。
メジャーな事例ばかりなので面白みがないのは仕方ない。
その中で、プライスライン社による逆オークションの事例が面白い。
買い手が購入条件と購入価格を提示し、複数社が応札する仕組みである。
航空券の場合だと、クレジット番号も登録し、条件があえば自動的に取引が成立する。
クレジット番号の登録は怖いが、便利な仕組みである。

サービス業のネット活用支援、新規創業（ECサイト構築）支援、ITによる営業効率化事例、ITによる人材の活性化事例といった実際のコンサルタント事例も紹介されている。
どの事例も劇的な効果が上がっていないのが、逆にリアルである。
しかし、営業トークとして流用させて貰うには、もっと効果の上がった事例も欲しいところだ。

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