隔月「化物語」シリーズの今回は、神原駿河を主人公にした青春物語である。
神原のまじめさにビックリしたが、最後は爽やかないい話だった。
西尾維新は、ストレートな話も書けるらしい。
阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎが卒業し、ひとり直江津高校に残された神原駿河は、願いをかなえるという悪魔様に立ち向かうことになる。
その正体は、意外な人物だった。
神原駿河は、阿良々木暦ハーレムの中でも飛び道具的位置づけである。
特に「化物語」のオーディオコメンタリーを聞いているとそう思う。
今回は、神原駿河が一人称で語っているのだが、その彼女が普通に思い悩んでいることを知って、キャラの違いに驚いた。
読む進めていっても、なかなか違和感は抜けなかった。
最後の最後に、悪魔様との決着をみる頃に、やっと彼女の新しいイメージが馴染んで来た。
そして、かなりストレートな青春小説だったことに気づいた。
それもスポーツマン同士の対決だったのだ。
そういった意味では神原らしい。
「化物語」のメインキャラクターの出番が少ないのが寂しいところだ。
阿良々木暦が登場するシーンでは、とても嬉しくなる。
彼が出てくるまで気付かなかったのだが、今回はギャグが少ないのだ。
ストレートな青春小説も良いが、次回は、ギャグ満載の通常営業に戻って欲しい。
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