池袋ウェストゲートパーク・シリーズも10冊目にして第1部終了。
終わるにはいい時期だったかもしれない。
池袋ウェストゲートパークそばの果物屋の店番にして、無料のトラブルバスター・マコトの活躍も、とりあえず見納めである。
日本社会の時事ネタを、ストリートに近い目線から取り上げ、ミステリーに仕立て上げるのがこのシリーズの特徴である。
今回も、「データBOXの蜘蛛」では個人データ流出の危険性、「鬼子母神ランダウン」ではスポーツサイクルの事故、「北口アイドル・アンダーグランド」では地下アイドルの活動を、「PRIDE」では若者の貧困をテーマにしている。
それぞれの問題の一面を切り取っているに過ぎないが、小説として十分楽しめるし、魅力的な登場人物が語る状況はリアルに感じられる。
とても面白いシリーズだったが、マコトが推理し、幼馴染のキングの仕切るカラーギャングを使って制圧するパターンにも、流石に飽きてきた。
社会の変化と問題にきりはないので、ネタはまだまだあるだろうが、小説としてのシリーズは、そろそろ終わってもいいかもしれない。
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