FabLife

FabLife ―デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)3Dプリンターなどの普及により、欲しいモノは自分で作ろう!という運動が世界的に盛り上がっている。
その歴史と著者が体験した実体験が紹介されている。
これは、楽しそうだ!

この運動では、単に好きにモノを作るということ以外に、2つの側面があるようだ。
新興国における技術の普及と、モノを作ることによる創造性の向上でる。

考えてみればすぐにわかることだが、あらかじめつくったコンピュータを持っていって配るだけでは、使用者は中の仕組みは理解出来ないままだ。
その結果、故障しても修理をすることができない。
「つくる側」と「使う側」の非対称性が、むしろ際立つかたちで残ってしまうのである。

工業製品の試作製作に、ラピッド・プロトタイピングという手法がある。
この「ラピッド」という言葉にあえて意味を見出すとしたら、それは時間を短縮したり効率性を重視することではない。
「アイディアが新鮮なうち、冷めないうちに、外化してしまう」ことにこそ意味がある。
建築家が大量の模型をつくるように、料理人が冷蔵庫の中の食材から即興的に料理をつくるように、思考をすぐに「もの」に転写する運動神経を身につけておきたい。

また、著者は今後の展開について、次のような予想をしている。
SFのようだが、技術の進歩と一般化のスピードを考えると、夢物語ではないのかもしれない。

ファブラボ1.0
既存のデスクトップ&デジタルファブリケーション技術を用いて素材を加工している、現在の状態。

ファブラボ2.0
市販の工作機械を買って使うのみならず、工作機械そのものを自分たちでつくっていく。

ファブラボ3.0
「ものを構成する最小単位(構成素)」が設定され、「分解」と「組み立て」だけで、ものが実現されるようになる。
ものはいつでも分解可能になるため、製品と部品は相互に変換可能な状態となる。
「人工物の循環系」

ファブラボ4.0
「構成素」にコンピュータとアクチュエータが組み込まれ、外力を必要とせずとも、自律的に自らを「分解」したり「組み立て」したり、あるいは変色したりする。

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