突然出現した謎の領域。
不可思議な生態系を持つその領域に、女性4人の調査隊が派遣される。
彼女たちが発見した建物の壁には、何者かによる文書が刻まれていた。
さらに調査を進めるべきか逡巡する彼女たちを、未知の驚異が蝕んでいく。
設定としてはストルガツキー兄弟の「ストーカー」つまり「路傍のピクニック」を想わせる。
同じようによく分からない。
「路傍のピクニック」は、人間の思考は宇宙では通用しないという思想で書かれたSFだったが、こちらは少し違う気がする。
話が進んでも作者の意図は見えてこない。
主人公の生物学者の一人称で語られるが(ちなみに4人とも個人名はなく役割で表記される)、他者からの影響が想定される彼女の主観は信用出来ない。
その場所の影響を主人公が強く受ける作風は幻想小説に近い。
語り部が変容していく方式は、ラブクラフトのクトゥルー神話でよく見られる手法だ。
3部作の1作目らしいが、映画化するには地味過ぎる話だと思う。
予算をかけた特撮は不用だし、ミニシアター系の映画にしかならない気がする。
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