パラソル奇譚の新シリーズが始まった。
今度の登場人物は、前シリーズの子供たちの世代である。
ソウルレスであった母親よりもパワーアップした娘が主人公。
吸血鬼と人狼以外のモンスターも登場し、今後が楽しみである。

舞台は人間と吸血鬼、人狼が共存する世紀末のロンドン。
前作では、ソウルレスのアレクシアがロンドンの人狼のボスと結婚した。
ソウルレスとは、吸血鬼や人狼に触れると相手を人間に戻してしまう能力を持った数少ない人間である。
ソウルレスと人狼を両親に持つプルーデンスは、更に凄い能力を持っている。
相手の能力を奪って、自分が吸血鬼や人狼になってしまうのだ。
それゆえ、恐れられている。
しかし、プルーデンスは、そんなことに頓着しない元気な女の子である。
自分の能力を使ってパーティを混乱に陥れ、退屈を紛らわせている。
プルーデンスは育ての親の吸血鬼の依頼で、新しい紅茶の謎を追ってインドに向かう。
彼女が船長となる飛行船には、吸血鬼の女王の娘である親友と、その双子の弟、フランス人の科学者を母に持つ色男の機関士が同乗する。
インドでは様々な派閥の思惑に巻き込まれ、いままで知られていなかった種族と出会うことになる。

主人公たちは、前作の登場人物の子供の世代なのだが、その親達がどのようなキャラクターだったのかを思い出すのに時間がかかる。
血の繋がった親以外にも後見人などもいるので、なおさらややこしい。

相変わらず洋服の描写が長い。
洋服について細かい説明をされても、こちらは全然イメージ出来ない。
まあ、イギリス上流階級の雰囲気は伝わってくる。
船が予定より早く出発した理由が、出発の挨拶に行くのに訪問用のドレスでなく、間違えて旅行用のドレスを着てしまったので、恥ずかしいから噂が広まるまえにロンドンから離れたかったからなのだ。

アレクシアに比べてプルーデンスの能力は強力なので、他の種族の能力を使ったアクションが楽しめる。
吸血鬼と人狼以外の種族も登場するようになったので、今後はプルーデンスの活躍は、もっと周りを困らせることになるだろう。

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