ブロックチェーン

世界を変える技術として「ブロックチェーン」は注目されている。
しかし、「ブロックチェーン」は万能の技術ではない。
本書は、「ブロックチェーン」の技術的詳細とその限界が解説されている。
すべてを理解できたとは言い難いが、理解は深まったと思う。

「ブロックチェーン」は、データを分散管理することで偽造を防ぎ、中央の管理者不在で信頼を作れる仕組みである。
仮想通貨での利用が有名だが、それ以外に資産管理や医療情報、公文書など様々な方面での利用が考えられる。

しかし、問題もある。
データを登録する人に賞金が出される仕組みだが、簡単に登録できないように、設定された問題に正答しないと登録権がもらえないようになっている。
参加者のコンピューティングパワーが上がるにつれ、問題も難しくなる。
その結果、「問題を解く」という非生産的な行為のために莫大なコンピューティングパワーと電力が使われる。
本末転倒な気もするが、いまのところこれに代わる方法はない。

また、仮想通貨の場合は、仮想通貨を支払うことで登録者のモチベーションを上げられるが、
それ以外の情報で利用する場合、支払うものがない。

「ブロックチェーン」のデータ構造も解説してあり、とてもためになった。

ブロックチェーンの 凄みは、参加者全員の間に何の信頼もないネットワークでも、信頼できる取引や決済ができるしくみを生成できる点にある。参加者全員が互いに憎み合っていたとしても、弾かれる計算結果や、記録される取引情報は信頼できるものになる。

2018年にはアイスランドにおいて、「ビットコインのマイニングに使われる電力量が、一般家庭全体で消費される電力量を上回った」と報道された。2018年5月には、「マイニングによる電力消費が、2018年末には世界の電力消費の0.5%に達する」との予測がJouleに掲載された。

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