マタンゴ最後の逆襲

マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫)日本で一番怖い映画といえば、文句なく「マタンゴ」である。
その続編が、45年振りに小説で誕生した。

映画版では、無人島に漂着した7人の男女が、他に食べるものがなく、食べればキノコ人間になってしまうのがわかっていても、キノコ(マタンゴ)を食べてしまう人間ドラマだった。
餓えに負けて、仲間に分からぬようマタンゴを陰で食べてしい、「美味しいわよ」と妖艶な微笑みで恋人を誘う美女。
どこまでも妖しく、陰湿なイメージの映画だった。

この小説では俄然スケールアップして、ハリウッド映画並みのアクション小説となっている。
日本初のスペースシャトルや、ヘリによる樹海の爆撃などもある大仕掛けなドラマである。
ムダにネタを伏せて焦らすこともなく、軽快なテンポで物語が展開する、読ませるエンターテーメントに仕上がっている。

よく考えれば設定に穴もあるが、基本怪奇小説なので、それは良しとしよう。
ただ、映画版の本質である、「マタンゴになるか、餓死する」かという葛藤が無くなってしまったのは寂しい。

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