千里眼 優しい悪魔

千里眼 優しい悪魔 上 (角川文庫)千里眼シリーズの最新作は、いままでのシリーズとの決別だった。
友達や仇敵と別れ、美由紀は新しい敵と本格的に対決することになる。

今回は、わりと地味である。
心理学的テクニックで世界を操るメフィストコンサルタントを裏切り、機械を信奉するノン・クオリアに寝返ったジェニファーが、北朝鮮に核爆弾製造器を持ち込むなどの陰謀はあるが、荒唐無稽とさえ言える美由紀のアクションは鳴りを潜めている。
メフィストの幹部ダビデの人の良さが前面に出て、美由紀はむしろ黒子的な扱いである。

次のシリーズへの繋ぎである本作では、ダビデやジェニファーなどの仇敵の過去が語られ、引退の花向けとなっている。
メフィストから、日本の平和を守るメフィストを超える存在として認められた美由紀は、次の巻から、人間の感情を否定し、全人類の滅亡を目論むノン・クオリアとの壮絶な戦いを繰り広げるのだろう。

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