RYU

RYU (徳間文庫)柴田哲考3作目は「龍」である。
もう川口探検隊のような展開は期待しない。
素直な冒険小説として、有賀雄二郎の活躍を楽しめば良いのだ。

「TENGU」「KAPPA」と来て、今度は「RYU」である。(あくまで私の読んでいる順)
悪く言えばワンパターンだが、そんなことはどうでも良い。「KAPPA」に続き、落ちぶれつつあるアウトドア・ルポライター有賀雄二郎が怪異に挑む姿が楽しめるのだ。

今度の舞台は沖縄である。
アメリカ兵が、ネッシーのような巨大生物の写真を残して行方不明になった。
その謎を追う有賀と愛犬ジャック、写真家コリンの前に驚くべき真実が・・・

まあ、いつも通り、それほど驚くオチではない。
定番の自然破壊とアメリカ批判は、背景情報となりつつある。
このシリーズの読み方は、ちょっと古めのハードボイルで味付けした、アウトドア・アドベンチャーとするのが正しいと思う。
奥さんと子供に逃げられ、仕事をしている時間よりも釣りと酒盛りの時間が多い有賀は、自然の中では断然カッコいい。
家財道具を車に乗せて、気の向くまま放浪する生活は、とても羨ましく感じられる。

年寄りになった有賀が息子と競演する作品があるようなので、それも楽しみである。

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