「岳」は、現在単行本を買い続けている唯一のマンガである。
人気のあるマンガのご多分に漏れず、映画化された。
コマーシャルを見る限り「海猿」の山版にされてしまうのではないかと恐れていたが、そこまで酷くなかった。
小栗旬と長澤まさみが主演なので、話には期待せず、登山の装備と山の景色を観るために、映画館に足を運んだ。
冬山はやはり美しく、危険なのはわかっているが、行きたくなってしまう。
アイスクライミングも面白そうだった。
そのうちチャレンジしてみたい。
映画版のストーリーは、長澤まさみ演じる新人女性救助隊員を中心に作られていた。
山のことをよく知らない観客に、山の知識を与えるのにはいい選択だと思う。
父親が山で無くなった救助隊員だったことから、家族の葛藤と感動へと繋げる流れである。
小栗旬演じる山岳ボランティアの三歩とのラブストーリーも絡めたかったのだろうが、流石にそれは無理だったようだ。
三歩は、世界中の山を旅した後に、北アルプス山中にテントで生活している。
彼は、山そのものであり、人間というよりトトロに近いように思う。
映画の中では、三歩が命を捨てて救助に向かうような描写があるが、マンガ版のファンとしては違和感がある。
三歩は、自分を含めて全ての命を大切にする人だが、決して無理はしない冷静な面を持っている。
そうでなければ山で暮らし、多くの人の命は救えない。
マンガでも感動するシーンは多いが、そこをサラッと描いているところにこのマンガの良さがある。
でも、それほど悪い映画でもなかった。
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