漫画版、アニメ版ともに大人気の「進撃の巨人」の実写映画化は、非常にリスクの高いプロジェクトである。
しかし、脚本は私がとても気に入っている映画評論家の町山智浩だし、監督は平成ガメラシリーズの樋口真嗣である。
否が応でも期待は高まる。
実際に観た感想は、「巨人が怖い」という映画だった。
残酷描写などは、この頃の日本映画にないレベルで頑張っていると思う。
しかし、ヨーロッパ的な雰囲気を持つ荒廃した未来世界では、日本人ばかりの役者ではやはり浮いてしまう。
どうしても嘘っぽさを拭い切れない。
その一方で、「巨人」たちの存在感は圧倒的である。
大小様々な、何を考えているのか分からないブサイクな巨人たちが、無表情に人間を食べる姿は恐ろしい。
サメや恐竜が人間を食べるのより、嫌悪感において数段上である。
要するに巨大ゾンビなのだが、近頃のゾンビ映画よりも抜群に気持ちが悪い。
子どもの父親になってもらうため、主人公に「子持ちはイヤ?」と迫る女性隊員が、妙にエロかったのが印象に残った映画だった。
巨人の謎が気になるので、後編を観るかもしれない。