世界大戦により文明が崩壊した未来、人々は移動都市で生活している。
巨大な移動都市は、力の劣る都市を襲い、吸収する。
母親の復讐を誓う少女は、巨大都市ロンドンで強大な力を持つ科学者の命を狙う。
話はともかく、映像的に迫力のある映画だった。
さすが「ロード・オブ・リング」のピーター・ジャクソン。
なんでわざわざ都市が移動して、他の都市を襲わなければならないんだ?
そんな巨大なものを動かしたら、無駄にエネルギーを食うだけだろうに。
という疑問に対する説明は特になかった。
「都市ダーウィニズム」という言葉で誤魔化された気がする。
設定としてはおバカな映画だが、映像的には迫力がある。
「ハウルの動く城」を都市サイズに大きくした物体が、荒野を疾走する。
全体的に、スチームパンクっぽいメカのデザインが良い。
スマートではなく、機械的で、泥臭くもある。
そして、どこまでも宮崎駿の世界であった。
こんなところにも影響があるとは、宮崎駿恐るべし。
話の作りは、ハリウッドのフォーマット通りという気がする。
悪い博士の陰謀を、虐げられた人々が団結して粉砕する。
反移動都市側の人々が、アングロサクソン系ではなく、東洋人や黒人なのは、かつての帝国主義への反発を思わせる。
なぜか、悪い博士がやたらに強い。