人生にお金はいくら必要か

「老後に2,000万円が必要」と大騒ぎになって頃の本である。
老後に必要な資金をちゃんと計算し、貯めていこう、というのがテーマである。
考え方が、とてもシンプルで分かりやすい。
王道ではあるが、投資べき金融商品まで勧めている。
避けるべき商品の特徴も知ることができる。

人生は「稼いで、貯めて、取り崩す」が基本としている。
基本的には[ 老後生活率(現役時代の生活に対する老後の生活比率)×現在の手取り−年金額]が、老後に毎年必要になる金額である。
これを現在の [資産/老後年数] で補填する。
状況は各自それぞれであり、自分の状況に合わせてこの公式を解いていく。
本書の中では、必要な資金を蓄えるために、月々いくら貯蓄すれば良いかがメインテーマだが、一般的な定年の年齢が見えている私には、月々の貯蓄と言われても困る感じである。

そんな読者も想定してか、老後設計の基本公式もあった。
取崩し可能額 = 保有資産額 – (年金額×未年金年数 ) + (働く収入×働く年数) – 最終資産額 / 想定余命年数
(年金額×未年金年数 ) は、定年後の年金がもらえない期間があればマイナスする。
逆に定年後も働くのであれば、(働く収入×働く年数) でプラスする。
最終資産額は、お葬式費用が残したい遺産の金額である。
そして、年間支出 = 年金額 + 取崩し可能額 となる。

お勧めの投資は、分散のインデックス。
とにかく、手数料の安い商品。
そして、税制優遇のあるNISAと確定拠出年金を使い切る。
その辺りの考え方は、王道で、私の方法と違いがない。
ただ、債権は不要という考えの人で、その言い分も考慮する価値があると思った。

「人生100年時代」、「資産寿命」、「多様なニーズ・多様な商品」、「ワンストップ・サービス」の4つには特に警戒が必要だと思われます。この種の言葉が出ている金融商品やサービスの広告には大いに気をつけていただきたいと思います。

運用商品を売っている人、あるいは運用している人は、一体あなたの資産から、年間に何パーセントに相当する手数料を取っているのでしょうか。商品の売り手が手数料を積極的に教えてくれることはまれですが、お金の運用にあたっては、この点を把握することが大事です。保険商品やデリバティブを使った仕組み商品のように、売り手が取る手数料がわからない商品がありますが、こうしたものは「すべて」運用対象から除外してください。

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