植物学「超」入門 キーワードから学ぶ不思議なパワーと魅力

キーワードを元にした入門書。
強引にキーワードに寄せてる気もするが、興味深いネタが多くあった。
同じ系統の本を続けて読むと、補完し合って理解しやすい。
マーキング出来ないタイプのKindle本なので、再読してポイントをまとめた。

キーワードだけでも、大変な量になってしまった。
以下のように。

葉っぱを緑色に見せているのはクロロフィル(葉緑素)。
白色光が当たると、青色光と赤色光を吸収し、緑色光を反射するので緑色に見える。
青色光と赤色光を吸収し、緑色光のみが通過するので、下から見ても緑色に見える。

芽が常に上に向かって伸びるのは、重力に対する屈性を持っているから。
重力と反対に伸びるので、「負の重力屈性」と言う。
逆に、常に下に向かう根は「正の重力屈性」を持っている。
屈性は、重力以外にも光、接触、水、化学物質がある。

植物は接触されるとエチレンという気体を発生させる。
エチレンは茎の伸びを抑え、太くする作用がある。
風で揺られても同じ効果がある。
エチレンで太くなると、大きな花を付けることができる。
植物をなでると美しい花が咲く、と言われるのは、このような理由による。

水は、「根圧」「蒸散」「凝集力」で、上へ運ばれる。
根が水を押し上げる力が「根圧」、葉で水が蒸発するのが「蒸散」、水が連なる強い結びつきが「凝集力」。

植物には自分が光に当たっているか見極めるフィトクロムという物質がある。
フィトクロムにはPrとPfrという2つの型がある。
Prは赤色光を吸収するとPfrになり、Pfrは遠赤色光を吸収するとPrになる。
Pfrは植物の背丈が伸びるのを抑制する。
光が当たる場所にいるとPrがPfrとなり背丈が伸びなくなり、光があたらないとPfrがPrとなり背丈が伸びることになる。
また、芽が光に向かう屈曲性は、青い色の光に反応して起こる。

暑さに弱い植物は、夏の暑い期間を種子で過ごすために、春に花を咲かせ、種子を作る。

短日植物:昼が短く、夜が長くなると花を咲かせる。
長日植物:昼が長く、夜が短くなると花を咲かせる。
中性植物:昼と夜の長さにかかわらず花を咲かせる。

寒さを受けることでツボミができるようになる現象を、春化と言う。

ABCモデル
花の4つの部分を形成するために、A、B、Cの3種類の遺伝子が働いている。
それぞれがお互いの働きを牽制しあったおり、どちらかが突然変異で働かなくなった場合、その領域に他の遺伝子が入り込んで働く。

気温が上がると、花びらの内側が外側よりよく伸びるため、外側に反り返る。それが開花現象となる。
気温が下がると、花びらの外側が急速に伸びるのに、内側はほとんど伸びないため、外側への反りがなくなる。それが閉花現象となる。

開花の刺激には以下の種類がある。
・気温が上がると開花する
・明るくなると開花する
・暗くなることが刺激となって時間を計りはじめ、何時間後かに開花する

紫外線が当たると有毒な活性酸素が発生するため、植物は活性酸素を消し去る抗酸化物質を作る。
花びらを美しく装う色素であるアントシアニンとカロテノイドも抗酸化物質である。
植物はこれらの色素によって花の中で生まれる種子を守っている。
白色の花びらにはフラボンとフラボノールという透明な抗酸化物質がある。
これらは透明だが、花びらの中には空気の泡が多くあるため、反射して白く見える。

被子植物は、胚嚢の中で同時に2つの受精「重複受精」が行われる。
中央細胞+精細胞が胚乳となり、卵細胞+精細胞が胚となる。

多くの生物は両親からそれぞれ遺伝子を受け継いだ2倍体である。
突然変異で生まれる3倍体は遺伝子がきれいに別れず、正常な配偶子が作れない。
そのため「種無し」となってしまう。
バナナなどは、こうして「種無し」となった。

温度が変化しないと発芽しないことを「変温要求性」という。
「暖かい温度が変化しない」ということは種子が地中に埋まっているということであり、芽を出しても地上に出られない。
そのため、温度変化のある地表近くにいるタイミングを待つ必要がある。

種子が一度に発芽すると全滅する恐れがあるため、いろいろな場所と時間で発芽しリスクを分散している。

植物は自分の縄張りに他の植物の発芽や成長を阻害する物質を撒き散らす。
この現状はアレロパシーと呼ばれる。

病原体に侵入された細胞は、自ら死ぬとともに、病原体をやっつける物質を作るよう促す物質「ファイトアレキシン」を作り出す。

イチョウには黄色い色素のカロテノイドが元々あるが、秋になって葉緑素がなくなると、カロテノイドが目立つようになり、葉が黄色く見える。

常緑の植物は、葉っぱの中の糖分を高め、凝固点を下げることで凍らないようにしている。

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