監督三木聡、主演オダギリジョーなので、ほぼ「時効警察」の雰囲気の脱力系ムービーである。
ただ、たった1日だけの疑似家族が妙に切ない。
オダギリジョー演じる主人公は、三浦友和演じる借金取りに、借金を返す代わりに、散歩の付き合いを強要される。
借金取りは、妻を殺したため、最後は桜田門で自首するつもりだが、その気になるまで東京を散歩して歩くというのだ。
始めは嫌々だったが、両親を知らない主人公は、やがて借金取りに父親の雰囲気を感じるようになる。
二人は、借金取りがかって偽の夫婦を演じた水商売の女(小泉今日子)の家に転がり込む。
水商売の女は、そこに同居している彼女の姪に、夫は世界中を旅する船長で、息子はイギリスに留学しているとウソを付いていたことから、成り行き上、疑似家族を演じることになる。
ただ、それも、借金取りが自首を決心するまでの間だけである。
借金取りが、自首をする前に食べると決めていたカレーライスを、4人で仲良く食べるシーンは、とても切ない。
しかし、やはり三木聡の映画である。
町の時計屋は、どうして食べていけるのか?
募金は、1日どのくらい儲かるのか?
など、日常の疑問と小ネタが満載である。
「時効警察」からは、ちゃっかり三日月くんが出演している。
借金取りの奥さんの仕事の同僚が、会社を休んでいる奥さんを心配して、電話をしようとしたり、お見舞いに行こうとするのだが、何かしら邪魔が入って実現出来ない。
結局、最後まで奥さんの死体は発見されない。
本当に、奥さんは死んでいるのか?
[amazonjs asin=”B00147VJVM” locale=”JP” title=”転々 プレミアム・エディション DVD”]