世間的には夏休み真っ盛りなので、山に行きたくなった。
思いつきなので、いつも通り、手軽に飯能あたりの山を攻めることにした。
以前走ったことのある里山コースに、子の権現を追加して、ちょっと版図を広げる作戦である。
ところが、子の権現は甘くなかった。
久しぶりに、自分の非力を思い知った。
今回はダートがあるという話なので、MTBタイプのブルーリバティの出陣となった。
スタートは名栗湖そばの農産物直売所。
ここから名栗湖へ、少しハードな坂を上る。
名栗湖の湖畔をゆっくり流す。
名栗湖には、木製のカヌーを作っているNBOがある。
木製のカヌーは重くて持ち歩きしづらいだろう、と思った。
しかし、考えてみれば、カナディアンカヌーは木製のものが多い。
コースガイドを見て気づいた。
実は、名栗湖はコースに含まれていない。
のっけから、無駄なエネルギーを使ってしまった。
まあ、急ぐ旅でもないし。
名栗湖を目指して上った坂を一瞬で下りきり、里山の道を走る。
この辺りは随分走っているので、どの道も、一度走ったような気がしてくる。
ゆっくりと山を上り、本日最高峰の天目指峠に到着した。
ここから山道を行けば、目指す子の権現だが、さすがに登山道の階段をMTBで行く気にはならない。
そこから一度山を下る。
不安になるほど下り続け、気がつくと麓の村に着いてしまった。
そこから再度上り直しである。
子の権現まで3キロの立て札があった。
スピードメーターで距離を計りながら上り始める。
この上りがかなり辛い。
急な上りが、どこまでも続いているのだ。
たまらず、1キロ進んで休憩する。
川で足を洗い、少し涼んでスタートする。
また1キロで休憩。
膝が笑ってきた。
最後は騙し騙し、何とか子の権現に到着した。
ボーッとするほど疲れてしまった。
まだまだ修行が足りない。
まずは茶屋に入って、冷えたポカリスエットを飲んで、肉うどんを頼んだ。
タクシーの運ちゃんや、店にいた登山者に、よく自転車で上ってきたものだ、と感心される。
このコースを自転車で来る人はあまりいないのかもしれない。
子の権現は、腰から下の病気に霊験があるとされている。
むかしは、飛脚などが参拝に来たようだ。
いまでも巨大なわらじや下駄が飾られている。
自転車乗りにはもってこいのお寺である。
子の権現からは怖いくらい急坂を下る。
途中から坂は緩やかになり、快適に里山の道を進める。
GPSで位置を把握しているものの、なかなかスタート地点に戻れないので、道を間違えたかと不安になる。
後でカシミールで確認してみると、道は正しかったようだ。