狐笛のかなた

狐笛のかなた (新潮文庫)「守り人」シリーズで一躍有名になった上橋菜穂子だが、日本を舞台にした本作も、とても面白い。
中国的な架空世界を舞台にした「守り人」シリーズよりも、古代の日本のファンタジーである本作の方が、私には好みである。

人の声が聞こえる「聞き耳」の力を持つ少女・小夜と、使い魔にされた霊狐・野火の健気な恋を中心に、2つの国の憎しみと呪いを背景に物語は展開する。
人と人ならぬものの関わり方が、とても日本的でいい雰囲気である。

この短い小説の中に、見事に世界を構築し、物語を描き切っている。
やはり上橋菜穂子は、ただ者ではない。

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