「ダ・ヴィンチ・コード」で一躍有名になったダン・ブラウンのデビュー作である。
米国家安全保障局、通称「パズル・パレス」を舞台にした、究極の暗号を巡る攻防である。
相変わらず、謎解きは面白く、そしてしつこい。
テーマが暗号なだけに、謎解きの連続になるのだが、解読が成功したと思わせた後の外し方が、デビュー作にして職人芸の域に達している。
息詰る攻防戦の中で、スペインで指輪を追う大学教授の行動が、どこか観光旅行のようなのどかさがあり、微笑ましい。
この辺りのバランス感覚の良さも、ダン・ブラウンの強みなのだろう。
コンスタントに新作を出して欲しい作家の一人である。
[amazonjs asin=”404295510X” locale=”JP” title=”パズル・パレス 上 (角川文庫)”]