「守り人」シリーズの最新作。
女用心棒バルサは、神を呼び出すとされる虐げられた民の兄妹を守る。
また異教の神に魅入られた子供を守るのか。
正直そう思った。
1作目と同じパターンではないかと。
しかし、今度は、犠牲者とは言い切れないところがある。
神を操り敵を倒す少女は、力に酔いしれ、血に飢えて来るのだ。
そこで、テーマは倫理的問題になる。
「ファイアスタータ」のチャーリーを想わせる、好みのテーマだ。
作者は異世界の構築が上手い。
様々な文化や宗教、風俗を持つ国々が生き生きと描かれている。
薄っぺらなファンタジーとならず、リアルな、行ってみたくなるような世界を作り上げている。
欲をいえば、もっとアクの強いキャラクターが欲しいところだ。
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